「なぜか大きな案件はいつも同じ人が回ってきて、自分にはなかなかチャンスが回ってこない…」
こんにちは。
WEBディレクター歴20年以上。 悩めるディレクターさんやWEB担当者さんが、明日から実践できてランクアップできるヒントを届けている友澤(ともざわ)です。
上司から「あなたにはまだこのプロジェクトは任せられない」と言われたことありませんか?
そうなら、
- クライアントから「このディレクションでは不安です。」と言われた。
- 制作メンバーから「この人だとやりづらい」と不満を抱かれた。
身に覚えがありませんか?
でも、任せてもらえるディレクターになるためにはどうしたらいいのでしょう?
実は、案件を任せてもらえるディレクターにはわかりやすいポイントがあるんです。
今回はそのポイントを知って
「任せたいと思われるディレクター」になるというテーマについてお伝えします。
この記事で得られる内容
この記事を読むと、以下の3点が明確になります。
1、なぜ「もう任せられない」と判断されるのか
まずなぜ任せてもらえないのか?を「任せる判断をする人」目線で理解しましょう。
2、「任せたい!」と思われるWebディレクターの特徴
任せてもらいたいならこんなディレクターになりましょう。
3、今日から実践できる5つのステップ
最後に、すぐに始められる任せたいと思われるWebディレクターへの5ステップ。
良かったら読んでみてください。
1、任せられないWebディレクターってどんな人?
任せられるディレクターを知る前に、まずは任せられないディレクターが「どういうときに任せられない判定を受けやすいのか」を代表的な3つのパターンで整理してみましょう。

受け身・後手後手なコミュニケーション
クライアントが曖昧に伝えた要望を深掘りせず進めてしまい、後になって認識のズレが発覚するケースがあります。
ズレが起こらないのが一番ですが、起こった後のリカバリコミュニケーションができていないディレクターには任せられない判断が下されます。
プロジェクトの進行においては、事前に予測できた課題への対応がデッドラインまでにできていない、制作メンバーからの質問への回答が遅い、
その結果マイルストーンを守れず進行が停滞することも少なくありません。
こうしたコミュニケーションの受け身・後手後手な対応が重なると、「この人ではプロジェクトを任せられない」と判断されやすくなります。
曖昧なタスク管理・進捗把握が甘い
スケジュール管理が曖昧で、納期ギリギリになって慌てる場面が頻発してしまう。
WBS(Work Breakdown Structure)やタスクボードなどの仕組みが整っていないと、どこが遅れているのかチーム全体で共有できず、メンバーからも「何を優先すればいいのか分からない」と不満が出てしまいます。
タスク管理や進捗把握が甘いと、後で取り返しがつかない状況を招きやすくなり、またリカバリ策も立てづらいため「任せられない」という判断になります。
信頼構築が不足している
小さな問題や遅れの積み重ねの対応の蓄積が原因になることがあります。
進行中のトラブルを隠して進行状況を共有せず、
さらに仕様変更や追加工数発生時に事前相談なく請求するなどが発生するとプロジェクトの透明性が一気に失われます。
クライアントにも上司にもまた制作メンバーに対しても驚きや不満を抱かせて信頼を大きく損ねてしまいます。
さらに、一度くらいは経験があるのではないかと思いますが、
「仕様書に書いてなかった」「急ぎだったから」と言い訳を重ねられると、
「本当にそうだったのか」「また同じことが起きそうだ」と疑念を抱かれ、
任せたいと思われなくなってしまうのです。
2、逆に「任せたいWebディレクター」はどんな人?
では、どのようなWebディレクターなら「この案件、安心して任せられる」と思ってもらえるのでしょうか。ここでは代表的な4つの特長を挙げてみます。

先回りして情報をキャッチアップするコミュニケーション力
クライアントの要望背景やプロジェクトの成功に必要なKPIを積極的に質問して深く理解し、
提案時点で「こう進めましょう」という具体的なロードマップを示せる人は、クライアントから強い信頼を得られます。
クライアント側からすると自分たちのビジネスや担当者の置かれている状況も理解してもらえたらうれしいですよね。
案件進行中には、制作メンバーの状況にも目を向けて状況を把握し、質問を受けた際にリアルタイムで応答し問題が顕在化する前に対処することでチームの生産性を維持できます。
こうした先回りの情報キャッチアップとスピーディーな対処は
日々のコミュニケーションへの気配りが大切です。
タスクを見える化し、進捗を徹底的に管理するスキル
WBSなどを用いて、誰がどのタスクをいつまでにやるのかを明確にすることができることは
必須スキルと言えます。
さらに、定期的なミーティングでマイルストーンごとの進捗を確認・共有し、
リスクが発生しそうな箇所を早期に察知して軌道修正をかける習慣があると、
「このリーダーなら遅延しない」と安心感が生まれます。
クライアントや上司との認識をすり合わせるリーダーシップ
見積りやスケジュールを提示するときに、なぜその工数や費用が必要なのかを事例やデータ、技術的な制約に基づいて具体的に説明できる人はクライアントや上司に信頼されます。
仮に仕様変更が起こった場合も、「こういう影響があるため、このタイミングでこう変更したい」というロジックを早めに伝え、
合意を取ることで大きなトラブルを未然に防ぎます。
こうした関係者全員の期待や認識をしっかりとすり合わせるリーダーシップが
「この人に任せたい」と思わせる要素となります。
メンバーをモチベートし、必要なフォローアップを欠かさない姿勢
それぞれのメンバーが持つ得意領域や現在の負荷状況を把握し適切にタスクを振り分けることができる人は、チーム全体を効率的に動かせます。
もしメンバーが作業に詰まっているときには声をかけ、技術的に解決策が必要であればリソースを手配してサポートするなど、
個々のモチベーションと生産性を維持するフォローアップを欠かさない姿勢が重要です。
このようにチームを支え、成果を上げるリーダーは「このディレクターにお願いしたい」とチームメンバーから言われる存在になります。
3、今日から始める「任せたいWebディレクター」への5ステップ
ここでは、上記の「任せたいWebディレクター像」を実現するために、今日からすぐに取り組める5つのステップをご紹介します。

【1】質問力を磨き「受け身」をなくす
まずは、クライアントの要望を曖昧なまま聞き流さないようにしましょう。
たとえばクライアントが「サイトをリニューアルしたい」と言った場合、
- なぜリニューアルを検討しているのか?(背景、重要度、緊急度)
- リニューアル後に達成したい目標数値は何か?(目標数値)
- 運用体制はどうなるのか?
などを深掘りすることで、本当に解決すべき課題が見えてきます。
同様に社内メンバーへの確認も、「誰に何を確認すべきか」をリスト化しておくことで、
要件の漏れや伝達ミスを防ぎましょう。
まずはクライアントや社内外の関係者に対し、自分の疑問「そもそもリニューアルする必要があるのか?」まで戻って遠慮せず投げかける姿勢を身につけることが大切です。
【2】タスクと進捗を“見える化”する
タスク管理の仕組みがないと、「どこでつまずいているのか」「何が遅れているのか」がチーム全体で共有できず、後工程で手戻りが発生しやすくなります。
私なら、プロジェクト開始時にWBSを作成します。
全タスクの洗い出しと優先度付け依存関係の整理を行います。
さらに、定例ミーティング(社内外)では、必ず進捗状況を更新し各メンバーへヒアリングも合わせて、遅延リスクが生じていないかをチェックします。
プロジェクトが佳境に入ったら「毎朝5~10分程度のデイリースタンドアップ」をチームで実施するのも有効です。
「昨日やったこと」「今日やること」「つまっていること」を簡潔に共有することで、遅れや障害を早期に察知し対応を迅速化することができます。
遅れが出てもリカバリプランも立てやすくなるのでクライアントに安心して報告できるという良さもあります。
【3】報告は「定量・定性」をセットで
報告書やミーティングでの報告では、必ず定量的な情報を盛り込みながら、次のアクションを明記する習慣をつけましょう。
遅れが出たのであれば、「コーディングで1日の遅れが発生(WBSのこの箇所)。次工程、追加工数などの影響はなし。」と報告対象者への影響を端的に伝えるのが報告の大原則です。
そのうえで「○○ページのコーディングは当初5時間と見積もったがテスト工程を含めて実際は7時間かかった。残り△△ページはあと8時間で完了予定。」といったように、数値で進捗を示すと状況が一瞬で分かり報告対象者からのアドバイスも出やすくなるので有効です。
最後に「次に何をどのように進めるのか」「リスクがある場合はいつまでにエスカレーションするのか」というアクションプランをセットで共有することで、クライアントや上司に「常に状況を把握している」と安心感を与えることができます。
【4】メンバーを巻き込みチーム全体で成果を上げる
メンバー1人ひとりとは月に一度必ず1on1の時間を設け、現在のタスクでどこにつまずいているのか、モチベーションが下がっている場合は理由は何かを丁寧にヒアリングします。
そのうえで、状況に応じてタスクを再調整したり、必要なナレッジを共有して適切にサポートを行うことで、各メンバーが安心して業務に集中できる環境を整えます。
また、たとえば「環境構築がスムーズに完了した」「デザイン案の合意が予定より早くできた」といった小さな成果でも、チーム全員の会で褒めることをやってみましょう。
意外とわかりやすくモチベーションが高まりチーム全体の生産性向上につながったりします。
「任せられる」評価は自分ではなく他者からの評価なので
チームメンバーと一緒に成果を上げる姿勢は評価アップにかなり重要です。
【5】インプット量を増やしアウトプットでアピール
「任せたいディレクター」と評価されるには、UX設計やSEO、アクセス解析など、必要な専門知識を常にアップデートしておくことが欠かせません。ディレクターの中でも専門性が際立つことで専門性が「このプロジェクトなら〇〇さんしかない」というブランドができます。
そのために、毎月1~2日は「インプットDAY」として手帳やタスク管理ツールに事前登録し、
オンライン講座やセミナーへの参加、専門書の読書などを行いましょう。
ただインプットするだけでは「任せる判断をする人」の意識に定着しないので、
学んだ内容は社内勉強会で共有資料を作成したり、ブログ記事や社内共有チャンネルに短くまとめるなどしてアウトプットしましょう。
アウトプットすることで自分自身の理解も深まり、フィードバックも得られ、また「任せる判断をする人」の意識にあなたの専門性として蓄積されます。
少しマインドの話
胸に手を当てて考えて欲しいのは、任せて欲しいけど任せてもらえないプロジェクトの特徴です。悩みを持っているディレクターに話を聞くとギャップがあるだけのことも多いので「やりたい事」って結構大事だと思います。
自分が任せてほしいプロジェクトが
「大きいプロジェクト!」であれば、質問力やチームコミュニケーションなどの重要性が高まるでしょうし、
「カンヌの広告部門に出すWebサイトをディレクションしたい!」であれば
とことんインプットとアウトプットを増やして専門性を際立たせるという戦略も考えられるでしょう。
「任せてもらえるかどうか?」は、置かれている環境によっても大きな差が出ますので
その環境の中で自分をしっかりと見つめて実力をつけましょう!
そしてこれだけは絶対に守って欲しいのが
「投げ出さないこと!」
「言い訳をしないこと!」
「暗い顔をしないこと!」
何度も何度も修正が来たり、クライアントと息が合わなかったり、メンバーとの足並みが揃わなかったりすると心も体も疲弊しますよね。
クライアントのために一生懸命考えた設計も全部見直しになったりなんてことも
プロジェクトをやってたらザラです。
でもね。
そこでへそを曲げたりやる気を失うようでは「任せられません。」
当然ですよね。あなたが発注側だったとしたらそんなムラ気がある人に「またお願いしたい!」って思わないでしょ。
他者のせいであっても言い訳をせず、いつもなぜか笑顔で、プロジェクトの最後の最後まであがいてゴールまで引っ張っていくのが「任せられるWebディレクター」です。
だからそのための自分の気持ちのコントロールを身につけましょう。
もしかしたらこれが一番なのかもしれません。
まとめ
今日から一歩踏み出そう。

いかがでしたか?私がこれまでに依頼側から聞いたお話から実践してきた「任せてもらえるWebディレクターになる5ステップ」です。秘伝と言っても過言ではありません。
ご紹介した5つのステップを実践することで、クライアントや上司、制作メンバーから「またこの人に任せたい!」と評価されるWebディレクター像へと近づくことができます。
5つのステップはすべて「今日からでもすぐにできるアクション」ですので、まずは以下を意識してみてください。
- 社内外の関係者に積極的に質問する
- タスクを見える化し毎日の進捗を徹底管理する
- 報告書やミーティングでは「報告対象者目線」を意識する
- 学んだ内容をアウトプットしてアピールする
- チームメンバーと成功を楽しみ「一緒にやりたいと言われる」存在になる
これらを継続的に実践し成功体験を積み重ねることで、周囲からの信頼を着実に築けるはずです。
まずは今夜か明日手帳やタスク管理ツールに「今日から始めること」をひとつ書き出してみましょう。
小さな一歩が「次回はこの人に任せたい」という評価を生む大きな違いに繋がります。
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「自分の強みをどう活かせばいいか?」が見えてきます。
最後までブログを読んでいただきありがとうございました!