Webディレクター・デザイナー間の伝達ミス、起きていませんか?
- オリエンで伝えたはずの要素が反映されていない
- 提案資料を出すたびにクライアントから意図を聞かれる
- 「なんとなく」進行してしまって、あとからズレに気づく
こうした“すれ違い”は、Web制作の現場でよくある悩みのひとつです。
特に、ディレクターとデザイナー、さらにクライアントという三者の間では、情報の共有・整理が甘いだけで、プロジェクト全体に影響が出ることも。
自己紹介
こんにちは。Webディレクターのドーマエです。
Web業界歴は15年以上。大手広告代理店や事業会社での実務経験を経て、現在はフリーランスで活動しています。
この数年は特に、「AI活用」や「伝達力の強化」をテーマに、現場で本当に使えるノウハウを探究しています。
この記事でわかること
- Webディレクターとデザイナー間の認識ズレを防ぐ伝達項目の整理術
- 提案時・納品時に「伝わる」資料を作るコツ
- 説明文作成を助けるプロンプト(AI活用ヒントつき)
- 現場で信頼されるWebディレクターになるための伝達力アップ法
当記事のポイント
なぜWebディレクターとデザイナーはすれ違うのか?

Webディレクターとデザイナーは、立場も役割も異なるため、「言ったつもり」「わかってくれているつもり」のコミュニケーションミスが起きやすい関係です。
この小さなズレが積み重なると、最終的にはクライアントへの提案がズレてしまうという事態にもつながります。
だからこそ、最初から共通認識をつくるための仕組みが必要です。
その第一歩が「共通伝達シート」です。
ディレクターとデザイナーの認識を揃える「共通伝達シート」とは?
共通伝達シートは、Webディレクターがオリエン時に伝えるべき情報と、デザイナーがディレクターへの提出時に添えるべき説明をセットにして整理できるツールです。
※以下の内容は簡略化されたサンプルです。
実際に使う場合は、案件に合わせてより具体的かつ詳細な情報を記載してください。
この記事では全体像を掴んでいただくことを優先していますが、詳細なケース別サンプルは今後別の形でもご紹介予定です。
ディレクターがオリエン時に伝えること | デザイナーが提出時に伝えること(伝達文) | |
---|---|---|
ターゲット | 誰に届けるか (属性・年齢・性別など) | このターゲットを想定してデザインしました。 |
目的・ゴール | 認知拡大?申込増? イメージ向上? | この目的に沿うように、○○を強調しました。 |
キーメッセージ | 一番伝えたいメッセージ | メインビジュアルとコピーで○○を伝えています。 |
使用媒体・サイズ | Web、印刷、SNS、バナー… | 指定媒体・サイズに最適化してデザインしています。 |
制作上の注意事項 | 必須ロゴ、禁止色、使用禁止表現など | 指定ルールを順守しつつ、〇〇で工夫しています。 |
トンマナ | 参考資料・希望イメージ(例:スタイリッシュ・かわいい等) | トンマナ指示に合わせ、○○な雰囲気を意識しました。 |
提案ポイント | 複数案がある場合の意図 | A案は○○重視、B案は○○訴求強めで設計しました。 |
今後の展開想定 | 他媒体展開、シリーズ化など | ○○展開を想定し、拡張性のあるデザインにしています。 |
あえて外した要素 | ━ | ○○という選択肢もありましたが、ターゲットや目的を優先し今回は採用していません。ご要望に応じて調整可能です。 |
プロが意識するポイント①:「あえてやらなかった理由」まで伝える
Webディレクターやデザイナーが信頼されるかどうかは、「やったこと」だけでなく「なぜそうしなかったか」も言語化できるかにかかっています。
たとえば、
暖色系も検討しましたが、ターゲット層との親和性を重視し、寒色系を採用しています。
こうした“外した理由”をあらかじめ伝えることで、
クライアントからの「これは入れないの?」という後出しを未然に防げます。
さらに、判断の背景まで共有できることで「この人はちゃんと考えてくれている」と信頼を得るきっかけにもなります。
クライアント提出時に意識すべきこととは?

Webディレクターとデザイナーの認識が揃ったら、いよいよクライアントへの提出段階です。
ここで重要なのは、
ただデザインを送るだけでなく、正しく伝わる説明を添えること。
提案資料や納品データにひと言添えるかどうかで、
相手の理解度も、案件の進行スピードも大きく変わります。
プロが意識するポイント②:「項目立て」でわかりやすく伝える
クライアントは、社内調整・意思決定・説明責任まで抱えています。
だからこそ、「一目でわかる説明文」が大切です。
提出時の説明は、“判断しやすさ”を意識して構成することが重要です。
特に、長文を避けて箇条書きにすること、見出しをつけて情報を整理すること、 社内転送や報告資料としても使いやすい構成になることがポイントになります。
<例>
- 【提案ポイント】A案は「信頼感」重視、B案は「実績アピール」を優先しています。
- 【メッセージ】キャッチコピーとメインビジュアルで「安心して任せられる印象」を伝えています。
- 【あえて外した要素】若年層向けカラーも検討しましたが、信頼性重視で落ち着いた色味に絞っています。
※上記の例は簡略化されたサンプルです。
クライアント向け説明文を整えるプロンプト(ChatGPT活用)
提出時に「伝えたいことはあるけれど、どう整理して書けばいいかわからない…」と迷う方も多いのではないでしょうか。
このプロンプトは、そんなときに役立つ“伝達文の整理補助ツール”として活用できます。
ChatGPTから何度か出力して、その時に最適だと思われる文章をピックアップして利用してください。
※このプロンプトは、デザイナーから提出されたメモをもとにクライアント向けの説明文を整えるための補助ツールです。 クライアントにとって何が重要か、どの情報が冗長かはプロジェクトによって異なるため、どの項目を含めるかはディレクターが判断してください。
あなたはWebディレクターです。
これから、デザイナーが提出したデザイン意図の箇条書きメモを共有します。
このメモをもとに、クライアント向けに伝えるための簡潔な説明資料用テキストにリライトしてください。
▼リライト時のルール
・提出形式は【メール説明用】または【MTG説明資料用】から選びます
・クライアントが短時間で理解しやすいよう、箇条書きスタイルを維持してください
・それぞれの項目は「何をしたか+なぜそうしたか」が簡潔にわかるようにまとめてください
・ビジネス向けのややフォーマルなトーンで
・必要に応じて「ご要望に応じて調整可能です」など柔らかい配慮表現も加えてください
【提出形式】(ここに「メール説明用」または「MTG説明資料用」と記載)
【デザイナー提出メモ】
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(ここにデザイナーが提出した箇条書きメモを貼る)
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まとめ
クライアントとの調整は、やはり経験を重ねてこそスキルが磨かれていくものです。とはいえ、毎回のやり取りで迷ったり、伝え方に不安を感じたりするのは自然なこと。
だからこそ、共通伝達シートを使って情報共有の抜け漏れを防ぐ工夫や、ChatGPTを使って説明文を整理する方法など、現場で実践できる“伝達力の補助ツール”を活用することで、確実に提案力は鍛えられていきます。
- 共通伝達シートで、ディレクターとデザイナーの情報共有をスムーズに
- 「あえてやらなかったこと」を伝える姿勢が、プロとしての信頼を生む
- クライアント提出時は、項目整理された説明で“伝わる提案”を目指そう
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最後までブログを読んでいただきありがとうございました!